園長ブログ

2021-03-10

子どもの生きている世界

3学期に入った 1 月末のある日の朝!くじらチームのこどもたちが遊んでいるところに顔を覗かせました。「おはよう〜」と声を掛け合いこどもたちが遊び、交わり、考え、楽しんでいる姿を見ながら部屋を歩いていました。そこに、一人のこどもが「園長先生〜~~これ読んで〜♪」と絵本を 1冊持ってきてくれました。なんとうれしいお誘い♪と思い、「もちろん!」とこどもから絵本を受け取り、部屋の中の静の時間をつくれる場所を探して、こどもと一緒移動しました。落ち着いて椅子に座り、読み聞かせを始めました。すると、そんな様子を見ていた子どもたち数人が、次これ読んで〜!と言わんばかりに絵本を片手に持ちながら読み聞かせをしている場所に集まってきました。

こどもが持ってきたのは私も大好きな画家であり、教師の経験もあり、絵本作家でもある安野光雅さんの『しりとり』という絵本でした。安野さんの絵本は、どれもこども目線で作られていて、読むこどもたちを空想の世界にあっという間につれていってくれ、こども自身が考えることや絵本を開いて読むたびに新しい発見のある絵本です。『しりとり』という絵本も、ページを開いて選ぶ絵によって毎回しりとりあそびが同じにならず、一人でもみんなででも楽しめます。この日も集まった子どもたちと、絵本の中から飛び出してきたしりとりを通していろいろなことば遊びを楽しみました。

その子どもたちとのやりとりの後日に、やっぱり安野さんの本は本物だな~と思い、それと同時にそんな安野さんが 12 月のクリスマスイブの日に亡くなられたんだったな~と思い、自分が持っていた安野さんが書かれた著書『かんがえる子ども』(福音館書店出版)を開いて読み直しました。

その中にこんなことが書かれていました。『子どもの生きている世界』という章に、「子どもに見えているものと、大人に見えている世界は、そもそも違うのではないでしょうか。もしそうだとしたら、この「違い」は親や教師は心すべきことだと思います。」と書かれていました。

コロナ禍で私たちの世界は、大きく動いています。その中で、ひかりのこどもたちの育ちの場所は、大人の思いでこどもの育ちを考えるのでなく、『子どもの生きている世界』に目を向け、こともたちにとって自分が神さまからもらった賜物を大切にでき、今の自分をありのまま受け止めてもらえる場所であり、その中で人や物と出会い、困ったり、考えたり、交わり合って生きる根っこを育める環境でありたいと願っています。

今年度もみなさまのご理解・ご協力に感謝いたします。次年度のそれぞれの新しい歩みにつなが
っていきますように、これからもよろしくお願いいたします。

園長 多胡淳子

 

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