「よーいドン!」10月が近づき、子どもたちの間で運動会ごっこがはじまりました。
ゆり組(年長児)の子どもたちは、憧れのパラバルーンやバトンリレーができて、喜んで取り組む姿が見られます。カーブを走るのに早く行きたい気持ちから、カーブを曲がらずワープしたり、バトンを渡さずもう一周走って行ったり、自分だけ走りきって終わったり、見ていると笑える子どもたちの姿が満載です。でも、本当に楽しんでいて、生き生きしています。
そして、ようやくみんなでつなげることができるようになってきたころの、体育遊びの日のことです。グループでバトンリレーの勝負をすることになりました。その時、1人!やりたくないという子どもがでました。やりたくないと言っているお友だちのいるグループの子どもたちは、だれがもう一周走るか!という話し合いをすることにしたのです。けれど、子どもたちは、誰かがもう一周走ってリレーするのではなく、やりたくないと言っているお友だちと走りたい!そのお友だちがいないと自分たちは勝てないよ!という結論になりました。そして、お友だちに「一緒にやろう!〇〇の力が必要なんだ!」と声かけにいきました。同じグループではないお友だちも、クラスみんなで一緒にしよう!と思いを伝えていました。その結果、なんと‼全員でバトンリレーをすることになりました。
クラスの先生と体育の先生は、一人の子どもの育ちの可能性を信じ、またそんな子どもたちが育ち合う姿を信じて見守っていました。やらない!といっていた〇〇は、友だちにも先生にも信じてもらうことで、自分自身の力を安心して出すことになりました。ひとつのクラスの1日の出来事ですが、日々のお互いの信じ合う心がつながった瞬間(とき)を見たように思いました。自分は今のままでいい!と、『自分を信じる力』を持つことができたのです。
運動会までの時間は、クラスによっても、子どもたちそれぞれの育ちの姿によって、取り組み方も関わり方も違います。一人ひとりの子どもたちが今の自分のままの姿がでるように、その姿が次の成長につながることを信じていきましょう。そして、今の子どもたちの姿を楽しみましょう。