登園時に蝉の抜け殻を見つけたこどもが大切に自分の手の中に入れて、園に持ってくる姿が見られ、園庭でも蝉が賑やかに鳴いています。夏がやってきました。
社会で起こっている様々な出来事を見ていると決して心明るく、見通しがよい毎日とは言えませんが、だからこそ園で過ごすこどもたちの『今』を大切にしたいと祈る毎日です。こどもたち一人ひとりに与えられた育ちの年代、その時間、その瞬間をありのままの姿で過ごすことができ、出会った私たちは、こどもたち一人ひとりと丁寧に向き合う大人でありたいですね。
保護者会でもご紹介しましたが、夏期間を前にこどもたちの成長の姿が見えてくるステキな詩をひとつご紹介します。
『6つになった』
1つのときは なにもかも はじめてだった。
2つのときは ぼくはまるきりしんまいだった。
3つのときは ぼくはやっとぼくになった。
4つのときは ぼくはおおきくなりたかった。
5つのときは なにからなにまでおもしろかった。
今は6つで ぼくはありったけおりこうです。
だから いつまでも 6つでいたいとぼくはおもいます。
A・Aミルン(くまのプーさん原作者)の詩(訳:周郷博)
それぞれの夏期間に入ります。
1学期、こどもたちは集団の中でいろいろな経験を積み重ねました。その園での出会いから、夏期間といういつもの園生活と異なる環境に変わります。この夏期間は、心とからだに記憶された様々な事柄をこどもたち自身が想起する時間です。無意識に振り返ったり、整理したり、そこから新しい力が生みだされる大切な余韻時間となります。こどもたちの『今』を見つめることは、こどもたち自身の近いこれからと遠い未来を豊かにする時間となることでしょう。
感染症対策など注意も必要ですが、それぞれのご家庭で記憶に残る夏物語を創られることをお祈りします。8月末に夏期保育が始まり、全園児が園に集うとき、お互いの夏物語を伝えあい、喜び合うことができることを楽しみにしています。その物語が2学期のこどもたちの育ちにつながっていくと信じています。
どうぞみなさま!くれぐれも健康には気をつけて夏をお過ごしください。
園長 多胡淳子